【Youtube紹介】分散型取引所(DEX) と日本の仮想通貨規制 対象はどこまで…?


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▶︎あらすじ
2018年、サークル・リサーチは、仮想通貨トレーディングの99%が中央集権型取引所で行われていると推定した。現在、いまだに中央集権型取引所が多くの取引高を占めているが、サークル・リサーチのレポート発表以降で多くの変化が見られる。例えば2020年9月、分散型取引所ユニスワップの月間取引高がコインベースを上回った。9月以降でDeFi(分散型金融)スペースは若干落ち着いているが、すでに新たなプロトコルの開発が水面下で進んでいる。

本稿では、分散型取引所の特徴と適用される規制について分析する。中央集権型取引所と複数の共通点があるため、最初に中央集権型取引所について考察する。自動マーケットメーカー(AMM)や他のDeFiプロトコルについては、次回以降の記事で分析する。

中央集権型取引所(CEX)

中央集権型取引所で取引するためには、ユーザーは、資金を取引所が管理するアドレスに送金しなければならない。ユーザーの口座で自己資金は確認できるが、取引所から出金しない限り、ユーザーが資金を管理することはない。

取引所のトレーディングシステムを使って、トレーディングが行われる。取引所はオーダーブック(注文板)を持っており、オフチェーンでマッチングが行われる。

日本で登録されている取引所は、すべて中央集権型取引所である。

分散型取引所(DEX)

分散型取引所は、ユーザーが資金を完全に管理する状態でのトークンの取引を可能にする。ただし、分散型取引所の中には、ユーザーに対してスマートコントラクトに資金を預託するように要求する場合もある。このスマートコントラクトが分散型取引所によって管理されるとは必ずしも限らないが、このような処理は明らかに幾らかの中央集権化の要素と障害点を作り出すことになる。

分散化の程度によって、分散型取引所はオンチェーンにオーダーブックとマッチングエンジンを備え付ける場合がある。イーサリアム ブロックチェーンには限界があるため(例えば、通信の遅延時間を示すネットワークレイテンシ、低いトランザクション・スループット、高い取引コスト)、イーサリアム上のほとんどの分散型取引所はハイブリッド方式を採用している。これらのケースでは、オーダーブックとマッチングエンジンはオフチェーンに備え付けられて決済がオンチェーンで行われる。最近では、レイヤー2ソリューションが取引決済手段として人気がある。

全てのブロックチェーンが必ずしもイーサリアムと同様の限界を持っているわけではないので、そのようなチェーン上にある分散型取引所は完全に分散化された状態で管理されるのが典型である。

例えば、Binance DEXやdydx、IDEX、Serumがあげられる。

日本の規制

日本の仮想通貨規制の対象は、基本的には、他のすべての金融規制と同様に、規制された活動に従事するマーケット参加者となる。技術自体は規制されない。

あるプロジェクトが日本で規制されているかどうか評価する際、まず規制された活動に注目する必要がある。もし該当する活動が規制されていたら、次のステップとして、分散化の程度を検討する必要がある。

規制された活動

資金決済法で「暗号資産交換業」とは、(1):仮想通貨の売買又は他の仮想通貨との交換、(2):(1)に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理、(3):(1)と(2)に掲げる行為に関して利用者の金銭の管理をすること、または他人のために仮想通貨の管理をすることと定義している。ここでは、中央集権型か分散型かという点は、無関係である。

中央集権型取引所と分散型取引所は、双方とも規制された活動に従事している。中央集権型取引所は、仮想通貨交換の媒介サービスを手がけるだけでなく、ユーザーの資金の管理をしている。一方、分散型取引所は、もし完全に分散化している場合は、媒介サービスだけを提供している。取引所が広範囲に及ぶ管理権限を持ったスマートコントラクトを使う場合は、カストディ(資産管理)サービスを提供しているとみなされる場合も考えられる。

登録
資金決済法で「暗号資産交換業」は、金融庁の登録を受けた者でなければ行ってはいけないと明記している。

「者」とは、定義上、個人か法人である。中央集権型取引所の場合は、仮想通貨交換サービスを提供するエンティティとなる。分散型取引所の場合は、さらなる考察が必要となる。

もしオーダーブックがオフチェーンで管理されている場合、少なくとも、オーダーブック維持のための者が1人は存在していることになる。このため、この「者」は、金融庁に登録しなければならない。オーダーブックがオンチェーンで管理されているが、該当する「者」が広範囲に及ぶ管理権限を有している場合も同じだ。

オーダーブックが完全にブロックチェーンで管理されており、「技術」である場合は、規制対象とならない。つまり、スマートコントラクトやプロトコルの開発者は、規制されない。

注意点:スマートコントラクトにGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)を提供するチームは、資金決済法上による規制対象となるかもしれない。スマートコントラクトの開発者とは異なり、彼らは金融庁に登録する必要性が出てくる。

ユーザー

ユーザーは、日本では仮想通貨規制の対象ではない。このため分散型取引所や他のDeFiプロトコルを自由に使っても良い。しかし、ユーザーは、スマートコントラクトの不具合やチームの匿名性など、DeFiプロトコルを使うことによるリスクを認識するべきだ。

▶︎コメンテーター
創・佐藤法律事務所 ヨーグ・シュミット

2019年5月、創・佐藤法律事務所に入所。キャピタル・マーケッツ及び最先端のテクノロジーに関する法分野を専門とする。入所前には、ドイツ有数の法律事務所のシンガポール及びクアラルンプール拠点にて勤務し、多くのクロスボーダーM&A案件に関与。また、欧州及び米国の法人顧客の為に広く企業・商事法務(会社設立、ジョイントベンチャー、リストラクチャリング、ファイナンスを含む)を取り扱う。更に、東南アジアにおける車載通信システムの普及に関し、大手自動車メーカーを支援。現在、国際トークン標準化協会(ITSA)の東京におけるアンバサダーを務め、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)とセキュリティ・トークン・オファリング(STO)に関するPhD論文を執筆中。また、2017/2018にはOxford大学のFintech Programを修了。

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